2012-11-20
【LM.C】LM.C的には今が一番いい時期のような気がしている
今春にリリースされたアルバム『STRONG POP』に伴うワールドツアーを終えたLM.C。“調和のとれた最強の組み合わせ”であるふたりが放つ久々のシングルは、さらなる飛翔を確信させる力強いメッセージソングだ。
──「DOUBLE DRAGON」はいつ頃、出来上がったのですか?
maya「海外ツアーと国内ツアーの間の6月に作曲する期間を設けてたんですけど、その時の1曲ですね。タイトル自体は結構前からあったんですよ。当時はまだ“DD”というアルファベット2文字で、武道館(2012年1月8日)でのライヴが決まった時に、記念に何か作りたいと思って考えたコードネームというか。もともとは、“誰でも大好き”という意味のスラングみたいなものらしいんですけどね。そこから派生して、字面とか響きから、“DOUBLE DRAGON”になったのは去年の早い時期で。当初のイメージとしては、シングル「Ah Hah!」(2012年2月)の時に一緒に出したかったんですよ。辰年だし、LM.Cもふたりだし、カッコ良いなと思ってて(笑)。ただ、全然かたちにならなかったんですよね。今となってはこれでバッチリなんですけど、やっぱり脳内でずっと空想、妄想をしていると、どんどん広がっていっちゃって。ようやく6月の曲作り期間の最終週にまとまったんですけど、シングルになるんだったら今のかたちみたいな…バンドじゃない、いろんな音も活かしながら、今までのLM.Cを継承するような曲になればいいなと思ったし、もしアルバムにということなら、生演奏のみの曲として挑戦してみるのもいいかなと思ってましたね。」
Aiji「最初にディレクターを含めて話をした時は、今までやってきたところを、もっと深いほうに行こうみたいな感じで曲作りに入ったんで、この曲とはまったく真逆の表現をしようかなって感じだったんですよ。結局、LM.Cらしいものになっちゃったんですけどね(笑)。今回のシングルに向けては、5曲を録ってたんですけど、最終的にはどれが選ばれても面白くなるだろうなというかたちにはしてたんですよ。その中で一番尖っている曲がこれだったということですね。いろんな意味でバンドっぽいというのは、この曲だけだったし。」
──今春に『STRONG POP』というLM.Cらしさを凝縮したとも言えるアルバムをリリースしたことで、次に何を送り出すべきなのかは、すごく考えたわけですね。
Aiji「考えましたね。バンドサウンドから、いわゆる打ち込みのクラブっぽいサウンドまでやってきた中で、もうどこに行ってもいいなと思ったんですよ。何をやってもLM.Cになることは再認識できたし。あとはどこを深く掘り下げるか。その意味で言えば、作曲段階ではちょっと悩みながらはやってましたね。」
──その点では、LM.Cにとって「DOUBLE DRAGON」はどんな位置付けになったと感じます?
Aiji「LM.C的には音楽を作る環境を含め、今が一番いい時期のような気もしてるんですよ。成熟期というか。だから、そういうテンション感、バンドの勢いが出てる…出しやすい曲なんだろうなと。他に作ってた曲は実験色が強いものもあったんで、アルバム後の一発目ということを考えると、「DOUBLE DRAGON」は大役を担ってくれそうな感じですね、いろいろな意味で(笑)。」
──“DOUBLE DRAGON”がLM.Cそのものだとすれば、歌詞は聴き手にメッセージを送っていると捉えられますよね。
maya「発信する側のもともとのイメージとしては、ストーリー的にはお互いに対してなんですよ。でも、我々ふたりの場合もあるし、LM.Cそのものだとしたら、もうひとりの相手は仲間やこれから出会う人たちにも置き換えられるだろうなと。」
──“DOUBLE DRAGON”は陰と陽であり、調和のとれた最強の組み合わせといった意味があるようですが、それが今のLM.Cを体現しているのかなとも思ったんですよ。
maya「そうですね。その対比というか、風神雷神でもいいんですけど、相手にないものを補い合う関係というか、そういうイメージはあります。だから、LM.Cそのものでもあるしね。」
──最後のサビには、《僕に無いモノは君がくれるから 輝けるのさ》といった一節もありますよね。
maya「そう。わりとそこにも集約されているというか…それぞれのサビの最後の行に言い表されているところはありますね。」
Aiji「曲も一緒なんですけど、歌詞にも“らしい”部分、新しい匂いはあるなぁと思いますね。基本的に言っていることはポジティブだし、ある種の綺麗事ではあったりするんだけど、LM.Cはそれでいいと思ってずっと走ってきた。使われる言葉を見ると、デビューした6年前とは違うんだけど、人格みたいなものもどんどん形成されていくのと同じように、ある種の強引さも兼ね備えたところは、mayaのパフォーマンスにも出てるし。人間的にもちょっとタフになってきたところが表れているんじゃないかなと思いますね。」
──初期と最近の歌詞の書き方が融合したようにも思えますよ。
maya「そうかもしれない。本当に最近思っていたのは、昔よく書いていた物語調と最近の傾向にあったものというよりは、もうちょっと違う…何とは言えないんですけど、最初の頃の自分対世界というか、外の世界に感じていたようなものが合わさった感じはするんですよ。経験として何か重なって、いい時期にできたなって気はしてるんですね。でも、どちらかには寄ってない。よくできたなって…それはいつも思うんだけど(笑)。」
──いつもね(笑)。「DOUBLE DRAGON」は年明けの東名阪Zeppツアーで披露されることになると思いますが…。
Aiji「そうですね。ただ、アルバムのような大きな作品を引っ提げたかたちでもないし、最新のLM.Cという感じの、待ってました的なテンションでライヴに臨めればと。新年一発目ですし、ファンの人たちも、めでたい感じで来てもらうといいかなと思います。」
取材:土屋京輔
(OKMusic)
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