擬人化 されたボートが 語りかける 君が好きと
みがいた 長いオールを 誇らしげに 俺に乗れと

漕いで 欲しい
お前の 腕で
浮かべて 欲しい
お前が 沼に

さわって すこしゆれて
まよって 足をのせてみたら

市販化 された空虚が まきちらされる 君の国で
部屋 箱のような装置 友だちになる もし望めば

すべりこむだろう 弱い
お前の 心
すべりこむだろう それは
お前が 呼べば

さわって すこしゆれて
まよって 指をあててみたら

擬人化 されたヨットが 語りかける 君が好きと
みがいた 太いマストを 誇らしげに 俺に乗れと

今 旅人の目の前には一漕の船が
およそ不釣り合いなその太いマストには帆が張られ
出発の時を今か今かと待ち構えている
帆は風を溜め 今にも破れそうなほど膨らんでいる
さあ お前は乗るのか?
乗らないのか?
乗るのか?
乗らないのか?
乗るのか?


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