静かに振りだした 摩天楼の涙

二人 眺める水蒸気と窓に
手あかの跡そっと残すよ

フワフワ 現実の君
ドロドロ 目の前で溶けて
耳元で囁く言葉だけ

『いつかまた 高過ぎる あの観覧車で』

誰よりも君が 怖がって居た場所に
今 僕が独り鋼鉄の涙を

降りしきる雨で固めて流すよ
摩天楼から
世界の何処かへ届けばいい

二人 嫌な真昼、夢を眺めて
崩れてゆく時間誤魔化して

フラフラ 意識曖昧
ドロドロ 離れてゆく君の
かたちが僕に告げたんだ

『今日も土砂降りだね。雨と、踊ろう。』

誰よりも君が 怖がって居た場所に
今 僕が独り鋼鉄の涙を

降りしきる雨で固めて流すよ
摩天楼から
世界の何処かへ届けばいい


もう 君を待つ
この少し大きめな傘は 捨ててしまおう

Ah すれ違う影に
君は見えないのに 君を探してしまうよ

何よりも君が
怖がって居たものが 僕にも
少し解ったような気がする

何時までも止まない雨が
教えてくれた
自分の弱さを 今 見下して

世界の何処かで
君が独り唄うのなら

何時までも独りで
僕はここにいるから


いつか約束した、
摩天楼に。

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