道に 灯が
ひとつ ひとつ点り
山のふもとに
童話のような汽車が行く
幼い日々へと運ぶのは
草の小舟か森の梟か
わたしの名前を呼ぶ声は誰
振り返れば
懐かしい顔が
笑っている
抱えきれない想い
こぼれおちて
何も言葉に
できない時があるの
夕闇迎える蛍火や
ささやき交わす風や木々の音は
かつてわたしを愛した人たちの
形見のように
やさしさに満ちて
いまを 包む
探してた夢は
ここにあるわ
小さなわたしが
握りしめてる
指をひらけば
真っ白な花が舞うの
夏が終わったらこの道を
ひとりでまた辿って行くでしょう
もしも忘れ物があったとしたら
それは遠い
昨日までの
儚い わたしの影
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