ほおずき 丸く 月様
伸びて 伸びて 縦角

ほおずき イビツ 渦巻く
一つ 二つ 黒い蜜

ほおずき 街を 染め上げ
紅く 紅く 毒つく

ほおずき 舌で 押しつぶし
僕を 僕を 呼ぶ笛

ほおずき 僕は どうして
高く 高く 磔

ほおずき 僕は どうして
誰も かれも 傷つけ

「鬼さん こちらへ 手の鳴るほうへと」

振り翳した手 鈍く輝く
ごめんね でも  止められない
指先 残る微かな温もりも
父も母も皆・・

最後に君を追い詰めた時
「気付いてください」
と微笑み 僕の手を喉もとへ・・
切り裂き漏れる音は

あの頃、2人 鳴らした ほおずきに似た声で
僕の名を呼ぶ君を抱き抱え
深い森の奥へ
うてなは蕾包む

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