2012-03-20

【LM.C】愛を持って作ったものには答えがある そう確信しているんですよ

 初の日本武道館公演を終えたLM.Cが放つ約2年振りのアルバムは、タイトル通りの突き抜けたポップさを持った、ダンサブルな仕上がりに。来るワールドツアーや全国ツアーも過去最高の盛り上がりが期待できそうだ。

──例によってコンセプトを立てて制作に臨んだわけではないようですが、予想以上の面白さを感じるところもあるでしょうね。

Aiji「個人的にですけど、今回はフロアでかけて踊れちゃうような、わりとクラブっぽい雰囲気のある、だからといって俺らがライヴの会場でやっても楽しめる、ロックンロールかつエレクトロなアルバムみたいなものを作ろうと思ってたんですよ。今までのアルバムって、いろんなジャンルを網羅した、おもちゃ箱みたいなアルバムを目指してたんですけど、今作はちょっと偏った印象を受けるものでもいいかなって。とはいえ、結果、選んだ曲たちを眺めると、いろんなタイプの曲がまた集まってるなとは思うんですけどね。」

maya「だから、やっぱLM.Cになったなという感じですかね。タイミング的にはデビュー5周年とか武道館でのライヴとかもあって、何か意図的に変えたくなる時期であってもおかしくないと思うんですよ。でも、活動におけるストレスはなかったので、いつも通りやれば、最新で最高のLM.Cになるんじゃないかなって気がしてて…実際にそうなってるはずですね。中心は変わらずにあって、少し広がってて、ちょっと新しくて、最高っていう。とにかく気持ちはすごくフラットでしたね。わりと早い段階で“STRONG POP”というタイトルも決めてたんですよ。」

──特にロックンロール、エレクトロに目を向けた理由は?

Aiji「なぜかと言われると分からないけど、エレクトロ的なところで言うと、シングルでリリースした「SUPER DUPER GALAXY」(2011年5月)をライヴでやっていく中で、曲の育ち方、ファンとの空間作りみたいなものがすごくいい雰囲気だったんですよ。今までもテクノっぽいものはやってましたけど、そんな中で、いい意味でもうちょっと踊れちゃうような、ビートがバキッとしたものをやってみたいなと。ロックンロールについては、ロックをやってきたくせして、いわゆる王道のリフ、コード進行みたいなものって、やったことがないなと思ったところですね。まさにLM.Cの王道ということで言えば、「BABY TALK」が自分たちの思う最先端ロックンロールみたいな部分にはなってて、それに対して、「peekaboo」はわりと自分的に思う古き良き時代のロックへのオマージュみたいな気分だったんですよね。」

──AijiくんがDeep Purpleの「Smoke On The Water」の一節を弾くだけでハイライトですね(笑)。エレクトロの観点では、近年のアメリカ発R&Bのニュアンスと80年代のブリティッシュポップ的要素が融合している印象がありますよね。

Aiji「そこはすごく意識しましたね。LM.Cが作る楽曲はとにかくキャッチーだと思うんですけど、そこには80’sのニューウェイブの辺りの、どこか懐かしい感じが合うと思ってるんですね。それはmayaの声のトーンも含めてなんですけど。一見、ジャンル的には相反する部分でもあると思うんですよ。でも、そういうカオスな感じもLM.C流なのかなぁって。自分らなりの黄金律というかね。完全にエレクトロに寄せたとしてもLM.Cにはなるんだろうけど、やっぱり過去を連れてきた上での最先端でありたいので、まだそこには飛べないというか、飛ぶ日は来ないと思います。だったらLM.Cじゃなくてもいいかなって。どこかいびつなバランス感覚でも、自分たちにとってはすごく気持ちいいところを目指しちゃう。そのスピリットが結局、ロックだったりするのかもしれないし。そういうマインドは昔からずっとありますからね。」

maya「自分の場合は、ロックンロールとかエレクトロといっても、あまりジャンル的なものは詳しくないんですよ。それだけに、曲単体で聴いたまま、素直に受け取れる気はしてて…というか、今回はそう思いましたね。だから、こうやって純粋にテーマとかもひらめけたのかなって気はしてるんですよ。」

Aiji「毎回、アレンジが歌詞を書く上での呼び水みたいになってくれればいいなとは思ってはいて。例えば、やんちゃなトラックを用意したとして、そのやんちゃさを超える歌詞が乗っかってきたら、小さな幸せを感じますよ。「BABY TALK」とかはまさにそれだと思いますね。mayaの一番いい部分が出てる。」

maya「ひらめきまで時間がかかるものもあるし、開始2秒ぐらいでギラギラくるものもあるけど、ちゃんと愛を持って作っているものには答えがある、そう確信してるんですよ。魂の部分というかね。例えば、歌詞を書いている時、何時間もどこかの1行が出てこなかったとしても、それも何かマズいことではない。メロディーや言葉も無限と言えば無限なんだけど、それが降ってくる、沸いてくる時を待つ。これは無意識下の話ですけど、今回はいつも以上に全てが自然にできた感じはありましたけどね。でも、最近思ったのは、武道館に至るまでの5年間の歴史に後押しされてることもあるなって。自分たちの愛する音楽たちが増えてくることで、これでいいんだよって言い切れるというかね。結局、やってることは同じなんだけど、その捉え方が違う。経験が生きているというか…不思議ですね。」

──歌詞にも表れているようですよね。今回は今まで以上により具体的なかたちとしてのメッセージ性が随所に感じられますから。

maya「気持ちとしては最初から変わらないんですよ。何が変わったかというと、応援してくれるファンもそうだし、仲間の姿がリアルになったというかね。愛が向かう方向がちゃんと明確になった。そんな気がしてますけどね。気持ちがよりシンプルになってきているのかもしれませんね。」

取材:土屋京輔

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