2011-11-20

ステレオポニー、振り切ってロックを遊び尽くした意欲作!

 約1年半振りとなる3rdアルバム『More!More!!More!!!』が完成。serial TV dramaの新井弘毅(Gu)と稲増五生(Gu)や、NAOTO(from ORANGE RANGE)らとのコラボ曲も収録する、楽しさと感動の詰まったこのアルバムについて3人が語った。

──前2作よりバラエティーに富んでいて、すごく豪華で遊び心がたくさん詰まったアルバムになりましたね。

AIMI ふとした誰かのひと言を具現化して、それが集まってかたちになったアルバムです。良い意味で枠にはまらず、ぶっ飛んでる作品になったと思います!

──吹っ切れたような感じすらしました。

AIMI そうかも。モヤが晴れて、すっきりした感じ(笑)。

SHIHO “振り切ろう!”という大きなテーマがあって。面白いことはとことん面白く、カッコ良いことはとことんカッコ良く…それによって、曲のカラーやイメージが際立った作品になりましたね。

NOHANA 今までもいろいろやってきたけど、自分たちだけでやってきた前作までとは違い、他のアーティストさんのスパイスが加わると、こんなにも広がるのか!ということが実感できて、すごく楽しい作品になりました。

──「Introduction」「Blowin’in the wind!!」「ビバラ・ビバラ」ではserial TV dramaの新井弘毅さんと稲増五生さんが、作詞作曲、アレンジ、ギターで参加していますが。

AIMI 夏にスタッフ主催のバーベキュー大会があって、そこでserial TV dramaのメンバーやORANGE RANGEのNAOTOさんとか、いろんなアーティストの方と仲良くなって。最初は「Introduction」のみの参加予定だったんですけど。

──「Introduction」は沖縄テイストで壮大な曲ですね。

NOHANA 沖縄の三線を新井さんが弾いてくれていますが、当日まで三線を弾いたことがなかったらしく。それでも、入門DVDを観ながら弾けちゃうのがすごいと思いました。

──「Blowin’ in the world」はパンクっぽいストレートなロックだけど、後半《どうどど》《ニヤニヤ》とノリが変化してますよね。

SHIHO 《ニヤニヤ》以降は最初なくて、プリプロの前日に急に追加されたんです。演奏はすごく難しくて、手が切れて血が出るほど練習したけど、ライヴで演奏した時は、辛いことも忘れて気絶しそうなほど楽しかった!

──10月16日のライヴで披露していましたね。AIMIさんがハンドマイクで歌い、ステージ中を走っていたのが新鮮でした。

AIMI 意外と歌に集中できるし、お客さんのすごく近くまで行けて、歌っててすごく気持ち良かったですよ。

──「ビバラ・ビバラ」は、ホラーとオペラの融合が面白い。歌詞の《ヨボセヨペゴパヨ チキンピリョヘヨ》っていうのは?

NOHANA 呪文っぽい言葉が合うなと思って、韓国語の単語をつなげて書いてみました。1番目の《チキンピリョヘヨ》だと、“私はチキンが大好き”とか(笑)。

SHIHO コーラスは、まさに“オペラのように”と新井さんに言われてたんです。そんなのやったことなかったけど…今回そういうのばっかりで。

AIMI 私が曲を作った時は普通だったんですけどね~。新井さん、おかしいです…いや、すごいです!(笑)

──そして、「おしゃれ番長2011」はORANGE RANGEのNAOTOさんが、アレンジと歌にも参加していますね。

SHIHO 中学生の時はカラオケでみんな歌ってたし、うちらの世代には、どんぴしゃの選曲ですよ!

AIMI コンピューターを使った機械的な音を入れたくて、NAOTOさんに編集してもらいました。私はひとりで3人分歌ってるので、ライヴではどう歌おうか思案中です(苦笑)。

NOHANA スラップで弾いているベースはシンセだから、ライヴでやるまでに練習しておかないと…。

──「ハナヒラク」「キャンバスに私だけの色をのせて」などは、従来のステレオポニーらしさも感じました。

AIMI いくら3枚目でいろんなことをやっているからって、これまでの流れを全部なくしてしまうのはどうかなと。良い曲だったので出し惜しみせず放出しました!

──「ハナヒラク」は、1stシングル「ヒトヒラのハナビラ」とダブる部分がありました。

AIMI 実は、「ヒトヒラ~」のアンサーソングです。「ヒトヒラ~」の“僕”とは違う目線で、“ハナビラが舞っている=恋が終わりそうな瞬間、追いかけたいけど追いかけられない女の子気持ち”を歌っていますね。

SHIHO 「キャンバスに~」は私が作詞しました。今回の制作を通してすごく楽しめたことがモチベーションになっていて。他人からネガティブに見られてしまったとしても、自分の中の世界がキラキラしていれば、それで良いんじゃないかっていう。かたちあるものはいつかなくなるし、始まりがあれば終わりもあるんだけど、“永遠”ってかたちはなくても心にはあるんだって。

AIMI アルバムを最後まで聴いてくれた人に、どんな気持ちになってほしいか考えて…明日って、希望に満ちあふれたことだけじゃないことは分かってるけど、それでもありのままで自分自身を愛してあげたいし、寂しくて切ないけど、温かい気持ちでいたいという気持ちで歌いました。

──3人以外の音を積極的に導入した制作はどうでした?

AIMI 勉強になりまくりです!

SHIHO 新しい風が吹いて、何かが変われたと思います。

NOHANA “ロックな遊び”ができた作品。音を楽しむ、音楽で遊ぶという意味をより理解できました。

──タイトルからは、“もっともっと振り切る!”というバンドの姿勢を感じましたよ。

NOHANA そうですね。曲もライヴも、ステレオポニーを知ってもらいたい気持ち、伝えたい気持ち、書き切れないほどたくさんの“もっと!”っていう気持ちを込めました。

──ちなみに、初回生産盤Bのジャケ写は…パジャマ?

NOHANA 振り切るがコンセプトだったので、通常盤はUKっぽくキメて、初回盤Bはリラックスしたパジャマという。

SHIHO 普段こんなかわいいパジャマは着ないけど(笑)。

──これを見て、男子が萌えるんじゃない?

AIMI そういうこと言われると、何かちょっと恥ずかしいんで、とりあえず全部買ってください(笑)。ジャケ3枚を並べると実はつながっていたり、いろいろ工夫があるので。しかも、初回盤のDVDがアメリカでのライブ映像でAはボストン編、Bはニュージャージー編と内容が違うんです。値段のわりにボリューミーだし…全部買いたくなるでしょ!(笑) 枠にとらわれていない作品だから、いろんな方に聴いてほしいですね。

取材:榑林史章

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