2011-10-20
高橋優、笑われても、避けて通れない自分の問題

高橋 優の音楽原点を語るに外せない記憶に、札幌での路上弾き語りがある。たくさんの喜怒哀楽を心にしたためた苦い青春と思える時間。名曲と言われた心が、遂にシングルとしてリリースされる。
──路上時代の名曲と言われてるけど、いつ頃の曲なの?
6年前、札幌で路上ライヴしていた頃で、大学を卒業するかしないかで自分の将来を考えてた時期ですね。
──アレンジの雰囲気なのか、聴いた瞬間に「メロディ」とニュアンスというか、空気が似てるなぁと思って、歌声とか気持ちとか、同じ感覚の切ない感じがして…。
スルドイ。『メロディ』は路上を初めて間もなく10年前からやってますけど…いろんな意味で、スルドイです。
──いろいろとかぶる思いがあるのかな。さて、初のワンマンツアーを終えて、ひとつメドを立てたところで、いわゆる過去の曲をシングルで出すというのは、なにか意図があったの?
この曲を早く聴いてほしかったということですね。何年か前の曲だからって、お蔵入りにはしたくなくて…思い入れが強いというか、今では作れないくらい、ほんとに赤裸々に自分の素のままを、どっぷりと漬けに漬けた曲なので。ただ、ずっと完成形じゃないと思ってて、2番の歌詞を付け足したんですよね。で、納得いくものができたタイミングが、今回のリリースにつながった感じです。
──そのままでも成立してたのに、書き足した理由って?
納得いかないまま永遠に届け続けるわけにはいかないって思いが強かった。1コーラスと最後の大サビしかない状態で歌ってた時は、無理に成立させてただけで、もうひと声あってもいいんじゃないかって思ってた。今回、付け加えて聴いてみて、あっこれが自分が求めていたものだなって。
──この“幸せになれよ”の解釈というかフレーズ好きなんだけど、“男らしくも、思いやりでもない言葉”って。
女々しいですよね。自分自身にそういう側面があるんですよ。竹を割ったような真っすぐな男で、“じゃあな! あばよ!”みたいな男になりきれない。最後に言わなきゃいいのに“幸せになれ”なんて。別れる奴の心配なんかしてくれるなってのあるじゃないですか(笑)
──良い男で終わりたいみたいな?
要は、カッコ悪いんですよ。素敵な男性像とはかけ離れてる。もう会えないのに、また会えたらいいなって思う日がある。それが癖のようにあって…そういう自分の根底にある弱さみたいなものを隠さないでズバッと歌おうって思った。音楽で食べていくなら、“そういうの歌われても…”って思われたり、笑われても避けて通れない自分の問題だと思ったんですよね。
──でも、言葉のシンプルさもあって、素直さが響くよね。どういう心持ちで歌ってるの?
振り返って歌うっていうよりも、その時々に当てはめて歌ってますね。どんなシチュエーションでも、フラットに、感情移入しすぎないようにって意識してます。じゃないと、どんどんと気持ちが入りすぎて、泣きそうになったりするんですよ。
──アーティストって、作品として言葉や気持ちを置けるから、本当はこんなに考えてて、やさしい人なんだとか思われるんじゃないのかな。逆に縛られて辛いこともあるだろうけど。
“セックスしてりゃいぃ~”とかライヴで思いっ切り歌ってたりしてますけどね(笑)
──(爆笑)。カップリングの「想いよ、届け」は、直球でソッチ系だね。最近の曲? 片思い妄想を全編で言い切り続けるって…。
最新の曲ですね。妄想っていうか、熱い情熱です(笑)。褒めちぎってますよね。こういうことがスゴく少なくなってると思うんですよね。自分が“高嶺の華”って想われてるよって、女性に感じてもらいたい。で、男性には、それぐらいに熱い想いを持って恋することはカッコ悪いことじゃないってことを言いたい。それを歌で表現できたらと思ったんですよね。
──突き抜けたね~って感じ。特有のひねくれ感がなくて、どりゃ~っていう(笑)。スッキリ作れて? これも新境地かな?
ここにきて、真っすぐな思い(笑)。スッキリしましたね。これも本当の僕なので。自分らしい曲ができたなって思ってます。今回表現した2曲は、新鮮な気持ちで、今までに見せたことがない部分を振り切って見せてる。
──確かにそうだね。他にライヴテイクが2曲入ってますが。
『ほんとのきもち』もラブソングとして受け取ってもらえる感じあるじゃないですか。高橋 優の数少ない、誰かを好きという気持ちの曲が、3曲続けて入ってるんですよ(笑)。これ、結構稀なんですよね。ライヴ音源だから、雑だとか言うのは一切なくて、その空気感とかリアルで濃密なものがシングルの中に収録できて、すごくうれしい。昨年の11月の『ほんとのきもち』リリース取材で、“作っておいてなんだけど、この曲に対するアプローチの仕方が、ちゃんと分かっていない”ってこと言ったと思うんですが。
──“歌いながら変わっていくと思う”ということ言ってたね。
で、ツアーをやってきて、自分の曲に対する価値観も変わって…だから表現のニュアンスとか、比較じゃないけど、今の『ほんとのきもち』っていうのを聴いてほしいですね。
──ライヴ観てて、そうやって歌うんだ?って、なんか語るように言葉を置いていく感じ。この先も変わっていくんだよね?
そうですね。『駱駝』もバンドアレンジとかスゴい変わってて、歌い方も全然違ってますしね。
──MCで「駱駝」に対して、“原点”ていう紹介の仕方してるけど、この原点って、どの地点のこと?
いつというより気持ちの部分ですね。ただ、東京に来る原点にはなってますね。その頃できて、路上でひとりずっと歌ってたので。そして、今の事務所の方にも出会った。全国流通盤で初めて出したアルバムにも収録されてるし、改めて歌うということでは、原点回帰の意味でいいのかなって。
──「駱駝」って言った時に、会場がウワッてなったから、代表曲のひとつになってるんだなって。
そうですね、曲を愛してもらってるんだなってことは、その時スゴい感じたんですよね。推し曲としてやってきたわけじゃないですからね。遡って聴いてくれてる人がたくさんいたってことで、うれしかったですね。
取材:石岡未央
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