2014-04-03

黒夢、シリーズ公演『地獄の三夜』について清春が語る!

 この4月から6月にかけ、東京、名古屋、大阪の各地で『地獄の三夜』と銘打ったシリーズ公演を行なう黒夢。これらのライヴが、インディーズ期の楽曲を軸とした内容のものになるということはすでにステージ上でのMCなどからも明かされているが、実際、その内容はどんなものになるのか? 今回は清春自身に、その動機と詳細を語ってもらうことにしよう。ちなみに『地獄の三夜』とは、黒夢がメジャー・デビューの頃に名古屋で行なったライヴのタイトルでもあり、その際に清春は「メジャーという地獄に僕らは堕ちます」と語っているのだとか。それから20年を経た今、彼らはどこに向かおうとしているのか?

■【黒夢 DEBUT 20TH ANNIVERSARY The second coming of 1994】 『地獄の三夜』
4月12日(土) Zepp Tokyo
4月13日(日) Zepp Tokyo
4月19日(土) Zepp Tokyo
5月24日(土) Zepp Nagoya
5月25日(日) Zepp Nagoya
5月31日(土) Zepp Nagoya
6月05日(木) 大阪BIG CAT ◆FC ONLY
6月07日(土) Zepp Namba
6月08日(日) Zepp Namba
■チケット料金:FC会員 8,800円 一般 9,600円

――まずは改めて『地獄の三夜』というシリーズ・ライヴを行なうことにした動機を。
「『死ぬまでにしたい10のこと』という映画がありましたけど、まさにそういったことのひとつという感じですかね。永遠に未来があるんだったらやらないと思うんですけど、20周年ということもあるし、人時君との思い出作りの一環という部分もあるし。過去に彼と踏んできたいろんなことを、もう一回、今の僕らの関係性で体験したいというだけなんです。しかもこの先、もう二度とできないことのような気がするし」

――今の自分たちでそこに取り組めば、もっと素晴らしい経験になるはずだという確信があるからこそ?
「うん。しかも敢えてインディーズ時代の曲ばかりをやるというのは、新しいアルバムをちゃんと出してるからこそできることでもある。『CORKSCREW』(1998年)で終わったままの状態にあったら、これはできないことだと思う。最新のものといちばん古いものを、このタイミングだったら繋げていけるんじゃないか、ということなんです」

――ステージ上でも「終わった頃ではなく、始まった当時に戻る」という発言がありましたよね。確かに『CORKSCREW』とかに思い入れの深いファンは、当時のツアーの“続き”を求めているのかもしれません。ただ、黒夢が今回やろうとしているのは、その当時を懐かしいと思う人たちですら観たことのない時代までさかのぼって、しかもそれを今と繋げてしまうこと。
「そうです。結局、あのアルバムは最終地点だった。で、復活からのこの5年間やってきたわけですけど、当時の黒夢はメジャー・デビューから5年で止まってるわけです。こうして時間を経てきて感じるのは、そういう要望に応えようとするのはもういいんじゃないかということ。重要なのはあくまでこの5年間に新しいアルバムを2枚作って、今もこうして新しい気持ちでやれたということ。実際、僕ら自身も復活から間もない頃というのは、かつて活動停止した当時の残像のなかにいたようなところがあったんですよ。めちゃくちゃツアーして、実は仲悪くて、みたいな記憶の(笑)。逆にインディーズ時代の自分たちに改めて触れることなんか、もうないんだろうと思ってた」

――それこそ、生まれる前の記憶のような感覚だったわけですよね?
「うん。ただ、それがこの1年ぐらいで変わってきて。やっぱりこうして復活後の2枚目を作れたことが大きかったんだと思う。1枚で終わってたら、『CORKSCREW』で終わった自分たちに対しての回答というような感覚でしかなかっただろうけど、そこからもう1歩前に進めたわけで。復活後の1枚目というのは、それが出ること自体が最大の事件じゃないですか。それを経たうえで、改めて自分たちを見つめ直すような『黒と影』を作ることができて。そうして客観視できた状態で自分たちの“本来の始まり”というものを今一度しっかりと認識することができたというか」

――そこで当時の曲をやるライヴを敢えてやってみようじゃないか、と?
「もちろん気持ち的には新しい曲を中心にやりたいというのもある。だけど大きな会場でやる場合なんかは特に、それについてこられない人もいる。やっぱりそこには比較論みたいなものが出てくるじゃないですか。そこで逆に、比較対象を持たないものをやるのもいいんじゃないかと。つまり「誰も知らない頃の曲だけをやればいいんじゃない?」ということなんです。もちろんどの作品もCDとしては残ってるんだけども、90%以上のファンは当時のライヴを観ていないはずだし。だからある意味、すべてのファンにとって平等なことでもある。しかも『黒と影』を作りながら、作品的なダークさとか気持ち的なところで初期と通じるものを感じていて、人時君とも「初期の曲だけやるのも面白いよね。もう一生やらないだろうし」なんて冗談っぽく話してたんですよ。で、「だったら20周年の一環で、それをやるのもいいかも」ということになった。ちょっとあり得ないことをやりたかったんですよ。そもそも『地獄の三夜』というタイトルにしても“何なんだ?”という感じじゃないですか(笑)。せっかくの20周年だし、敢えてそういうことを……。それこそデビュー10周年のときにやっても良かったんだろうけど、当時は人時君と一緒ではなかったし。実は一緒にこうしてアニヴァーサリーを迎えられるのも、初なんですよ」

――なるほど。実際、ずっとライヴでも演奏されてこなかったインディーズ期の楽曲たちというのは、“冷凍保存された初期衝動”のようなものだと思うんですよ。それを今回のツアーでは、それこそ“ガスバーナーで解凍”しようとしているわけですね!
「まさに。当時はとにかく他のバンドとは違うものになりたかった。カッコいい英語とかのバンド名が多かったなかで、敢えて黒夢という名前にしたのもそうだし、重くて暗い音楽をやろうとしたのもそうだし。しかもこれは今回しかできないことというか、この先はもうないだろうと思うからやりたいことなので。驚かせようという気持ちはさほどないし、実際は僕ら自身も準備が大変なんですよ。思い出す作業にもそれなりの時間がかかるし、サポート・メンバーたちにとってはすべて新曲同然。しかも当時の曲には音楽的な理屈に適ってない無茶苦茶さがある……。だけどそれを変に正しい形に直してしまうんじゃなく、できるだけ当時の動機をそのまま自分たちでも感じたいというか。だからクオリティ高く再構築することが目的ではないんです。なにしろ僕らの場合は、今回の『地獄の三夜』でやる曲たちを、その後のツアーでレパートリーに加えようとしてるわけではまるでないんで」

――三日間、それぞれ違ったライヴになるんですか? 三夜観ないと完結しないものに?
「そうじゃないと伝わりきらないかもしれない。おそらく現時点では「もしかして昔の曲をやるの?」という程度にしか思われてないかもしれないけど、実はそんなのは普通に全部やろうとしてるんです。東京でも名古屋でも大阪でも、三日間のうち初日は『中絶』と『生きていた中絶児』(ともに1992年)と、二日目は『亡骸を…』(1993年)、そして三日目は『迷える百合達』(1994年)を、という具合に年代別にやっていくつもりでいまして。その場で種明かしをして驚かせることが目的じゃないからこそ、こうしてコメント出来てしまう。もちろんライヴを経ていくなかで変化が生じてくる部分はあるかもしれないけど、三日間それぞれの分け方については、基本的にはそうしていくつもりですかね。自分達しか持っていなかったカセットテープにしか入ってない曲、ライヴでしかやっていなかった曲、当時のステージでカヴァーしてた曲というのにまで掘り下げて。とにかく三日間、ほぼ違った内容になりますね。そういう曲をやるとなれば衣装含めた外見的な部分も三日間違ってくるべきでしょうし。あとは洒落で録ってみた音源というのもあって、それを……」

――それ以上は止めておきましょう。少しは情報を出し惜しみしておかないと(笑)。
「ですね(笑)。当時、20年前は「メジャーという地獄に堕ちます」と言ってたけど、今回はそれが逆転していく記念すべき9日間にもなるんじゃないのかな。これを経たことによって……「天国に堕ちる」という言い方は矛盾するかもしれない、でも今は自分達でも結果が想像しきれないような面白いことができそうな気がしてる、特別な三日間の舞台をやるような感覚です」

■【黒夢 DEBUT 20TH ANNIVERSARY TOUR 2014 BEFORE THE NEXT SLEEP VOL.1】 『夢は鞭』
7月19日(土) Zepp Nagoya
8月01日(金) 赤坂BLITZ
8月08日(金) 新潟LOTS
8月14日(木) なんばHatch
8月16日(土) 金沢EIGHT HALL
8月17日(日) 金沢EIGHT HALL
8月22日(金) 大分DRUM Be-0
8月24日(日) 鹿児島CAPARVO HALL
8月29日(金) 仙台Rensa
8月30日(土) 仙台Rensa ♯ACOUSTIC
8月31日(日) 仙台Rensa
9月06日(土) Zepp Nagoya
9月17日(水) 新宿LOFT
9月18日(木) 新宿LOFT
9月22日(月) 高崎 club FLEEZ
9月26日(金) BLUE LIVE 広島
9月27日(土) 岡山CRAZYMAMA KINGDOM
9月28日(日) 岡山CRAZYMAMA KINGDOM
10月02日(木) 高知CARAVAN SARY
10月03日(金) 高松OLIVE HALL
10月05日(日) 福岡DRUM LOGOS
10月17日(金) Live House 浜松窓枠
10月18日(土) Live House 浜松窓枠
10月30日(木) 新木場 STUDIO COAST
■チケット料金:FC会員 6,500円 一般 7,300円

■【黒夢 DEBUT 20TH ANNIVERSARY The second coming of 1996 BOYS ONLY】
11月15日(土) 名古屋ダイアモンドホール
11月19日(水) Zepp DiverCity TOKYO
■チケット料金:FC会員 6,500円 一般 7,300円

■【黒夢 DEBUT 20TH ANNIVERSARY TOUR 2014 BEFORE THE NEXT SLEEP VOL.2】 『毒と華』
12月04日(木) 郡山Hip Shot Japan
12月05日(金) 盛岡Club Change WAVE
12月12日(金) 京都FANJ
12月13日(土) 京都FANJ
12月14日(日) 滋賀U☆STONE
12月20日(土) 富山MAIRO
12月21日(日) 長野CLUB JUNK BOX
12月23日(火・祝) 横浜Bay Hall
12月24日(水) 横浜Bay Hall
12月30日(火) なんばHatch
12月31日(水) Zepp Nagoya
<2015年>
1月06日(火) 新宿LOFT
1月07日(水) 新宿LOFT
1月10日(土) 柏PALOOZA
1月11日(日) 柏PALOOZA
1月16日(金) 札幌PENNY LANE24
1月17日(土) 札幌PENNY LANE24
1月21日(水) 水戸LIGHT HOUSE
1月22日(木) 水戸LIGHT HOUSE
1月28日(水) 大阪BIG CAT ◆FC ONLY
1月29日(木) 名古屋BOTTOM LINE ◆FC ONLY
1月30日(金) 川崎CLUB CITTA'
2月03日(火) 新木場STUDIO COAST
2月05日(木) なんばHatch
2月07日(土) 岐阜club G
2月08日(日) 岐阜club G
2月09日(月) Zepp Nagoya
■チケット料金:FC会員 6,500円 一般 7,300円

黒夢 オフィシャルHPはコチラから

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