2013-09-20

【GRANRODEO】弱い自分に打ち勝つ!がテーマ

 GRANRODEOが約半年振りの新曲「The Other self」をリリース。アニメ『黒子のバスケ』オープニング曲で、同アニメのタイアップを手がけるのは3度目。ポップでキャッチーな、期待を上回るナンバーに仕上がった。


 【頭に浮かんだものを そのまま採用していった】

──「The Other self」はアニメ『黒子のバスケ』第2期のオープニング曲で、同じアニメで3度目ですね。

e-ZUKA「『黒子のバスケ』で最初に出したのが「Can Do」なんだけど、「Can Do」は青春っぽくて、その次の「RIMFIRE」では凝ってちょっと大人っぽい感じになって、それをもう一度ストレートでアッパーにした感じ。「Can Do」っぽさもありつつ、新しいものを目指しました。転調もしていないし、とにかく速いのが特徴ですね。」

──カッティングが大変そう。

e-ZUKA「このくらい速いテンポだと上下でできるんで逆に楽ですよ。むしろ「Can Do」のほうが、全部ダウンピッキングで弾かなきゃいけないから、そっちのほうが大変。」

KISHOW「でも、まさかまさかですよ。ぼちぼち他のアーティストさんに依頼するだろうと勝手に思ってたので。すでにGRANRODEOが2回やってるし、みんな飽きるでしょうって。それがまさかの3回目(笑)。」

──制作期間的には余裕があったのですか?

e-ZUKA「最初に曲作り期間を2週間くらいもらってて。それだけ時間をかけて練って、自分的に今までやってなかったような曲を最初に作ったんです。で、それを提出したら“すごくいい曲だけど、エンディングっぽい”と言われてしまって。で、“もう一回作ってもらえませんでしょうか? 明々後日までに”と…。翌日がライヴだったから、ライヴに行く時とか休憩時間とかに頭の中で考えて、その次の日に録って完成したのが、この曲なんです。」

──実質1日くらいで作ったと。

e-ZUKA「はい。でも、全取っ替えだったから、頭が完全にリセットされてたし、時間もなかったから、頭に浮かんだものをそのまま採用していった感じでした。」

──悩まなかったことの良さが、逆に出たみたいな。

e-ZUKA「そうとも言えます。その分、シンプルでストレートな曲になりました。それでもサビのパターンは、4つくらい考えたんです。で、アニメ制作側の人に好きなのを選んでもらったら、最初に作ったサビが選ばれて。やっぱり最初に思い付くものって良かったりするんですよね?。」

──作詞も紆余曲折ありましたか?

KISHOW「まぁ、ありがたいことだなと思いつつ、同じアニメ作品で同じ歌詞テーマで、もうネタはねえよ! と思いつつも、やるしかないんでね。“うん、分かった分かった。じゃあ、まず飲もう”って(笑)。とにかく頭をフラットにしようという意識が働きましたね。で、曲を聴いたら「Can Do」路線で、OK分かったと。そこで苦悩してもしょうがないので、前向きに捉えることにしまして。これまでの2曲を分析したところ、明るくキャッチーで分かりやすいものが求められているんだなと思って。特に「Can Do」はそれで反響もあった。じゃあ、分かりやすい言葉で伝わるものにしようと。」

──テーマを決めたりは?

KISHOW「滅多にやらないんだけど、今回は最初に歌詞のテーマを決めて書きました。バスケのスポーツものだということで…例えば、『Number』とかのスポーツ雑誌でイチローとかマイケル・ジョーダンとか、いろんなスポーツ選手やアスリートの方のインタビューを読むと、みんな“自分に負けない”というような感じの発言をしてて。もちろん、相手に勝つのがスポーツとしての大前提なんだけど、“弱い自分に打ち勝つ”みたいなことを、みなさんよく言ってる。で、それをテーマにして歌詞を書きました。タイトルの“The Other self ”は、もうひとりの自分ということですね。」

──歌詞の“あいつ”や“君”は、自分なんですね。

KISHOW「そうです。自分の中のもうひとりの自分というイメージです。たまに弱い自分が顔を出したりするじゃないですか。逆に強い自分も必ずいるので、その強い自分を味方にしていこうっていう。」

──バスケをイメージした部分というのはありましたか?

KISHOW「e-ZUKAさん、言ってませんでした? ドリブルをイメージしたって。ダンダンダンっていうところ。」

e-ZUKA「そうそう。あと、サビの《let me higher》のあとに“ハイ!”って掛け声が入るところは、完全に“ハイ!”のところでシュートしてるイメージなんで。そこはライヴでも盛り上がってもらえるんじゃないかと思います。」



 【日本で今やってる人は 他にいないんじゃないかな?】

──で、カップリングの話も聞きたいのですが、現状(9月6日時点)では、まだ1曲目しか上がってないということで。続きは次回にお願いします。で、ここからは、4月20日と21日に横浜アリーナで開催されたライヴのDVD作品『GRANRODEOLIVE 2013 G8 ROCK ☆ SHOW』についてうかがいたいと思います。

KISHOW「もう遠い日の記憶ですね。」

──でしょうね(笑)。2日間まったく違ったセットリストでしたが、どういうふうに分けたのですか?

e-ZUKA「1日目は1曲目が「Can Do」だったんだけど、『黒子のバスケ』のイメージから、NBAとか大リーグとかのスポーツ観戦にきた雰囲気を演出しようと思って。それで、始まる前にロジャーとジーナが会場を回って、お客さんと一緒に盛り上がってる様子をビジョンに映し出したりして。オープニングのSEもどこぞのスポーツ番組みたいなイメージだったんです。で、2日目の1曲目は「SEED BLASTER」だったんだけど、初日よりもっとラフな感じにしたいと思って、海外のロックバンドが来日して、成田空港に着いて“ヤバイ、もうライヴが始まる時間だよ”って感じで、ドーン!って登場して、ウワ?!って歓声が上がって。いきなり速い曲から始まって、“ハロー! ジャパーン!”みたいなイメージ。」

──なるほど。まさにそんなイメージでしたよね。

e-ZUKA「で、あと選曲としては、例えば初日の17曲目が「アウトサイダー」だったら、2日目は同じ17曲目に「NO PLACELIKE A STAGE」をやったりとか、似たようなタイプで違う曲という感じで考えました。」

──ロジャーとジーナが巨大化するという演出もありましたが。

e-ZUKA「ああいうバルーンを使った演出は、よく海外のバンドでもありますよね。AC/DCのライヴで「ホール・ロッタ・ロジー」という曲の時、でっかい女の人のバルーンが現れるのが定番であって。でも、普通に現れるのでは面白くないということで、ギターを銃に見立ててバーンって撃ったら出てくるみたいなのがいいねって。1日目は成功したんだけど、2日目は調子に乗って客席にギターを向けて撃つフリをしてたら、つい撃っちゃったという。前のほうのお客さん、ビックリしてました(笑)。これはKISSのエース・フレーリーなんかがやってますし、テッド・ニュージェントのアルバム『ウィークエンド・ウォーリアーズ』のジャケットでは、まさにギターのヘッドから火を噴いている写真があったりするし。」

──洋楽ハードロックのオマージュがいろいろとあると。

e-ZUKA「日本で今やってる人は、他にいないんじゃないかな? やっぱ俺くらいにならないとダメだよね!」

KISHOW「若いヤツらには早すぎるっていう。」

e-ZUKA「ベタすぎて、逆に恥ずかしいっていうのもあると思うけど(笑)。」

──「偏愛の輪舞曲」では、妖艶なダンスパフォーマンスもあったりしましたね。

e-ZUKA「それこそ『シルク・ド・ソレイユ』のようなスケールの大きなものがいいねって言ってたんだけど、当日まで観ることができなくて。本番で観たら、すごくてびっくりしましたよ。」

──「Y・W・F」では結構お遊びの演出も。

e-ZUKA「あの曲はできた当初からイモ欽トリオの「ハイスクールララバイ」っぽいと言われていたので、ベースの瀧田イサムさんと一緒にいっそのこと「ハイスクールララバイ」の振り付けをやってしまおうと。リハの時に瀧田さんが良い子だからってメガネを持ってきて。俺は悪い子だからってことでサングラスと付けヒゲで。最後に“良い子”って歌うところで、KISHOWとかみんなでメガネをかけるというね。」

──KISHOWさんは、このライヴで印象に残ったことは?

KISHOW「とにかく楽しくて、あまり長さを感じなかったですよね。あと、あまり覚えてない(笑)。でも、「We wanna R&R SHOW」は武道館とか大きなライヴでしかやらないので、本編の最後で「We wanna R&R SHOW」がきた時、横浜アリーナなんだって実感した感じでしたね。あと、ライヴ中に渾身の開脚ジャンプを何度もやってたんですけど、それがまったくビジョンに映ってなかったという(笑)。DVDでは、しっかりご堪能いただけると思います。」

──MCでは“欲が出てもっと先にいきたくなった”と。

KISHOW「いや、だってそのくらい言わないと。そう言ったほうが、みんな喜んでくれるし。」

──でも、実際に来年の年明けにはさいたまスーパーアリーナと大阪城ホールが決まったわけで、有言実行ですよ。

KISHOW「それはまだ分からないです。客席が埋まってるかどうか。スカスカだったら有言実行にはならないので。」

e-ZUKA「一個ずつ空けて、万遍なく座ってもらうという手もある(笑)。まぁ、そのへんの話も次回訊いてください。」

取材:榑林史章


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