2012-10-20

【GRANRODEO】4番バッター揃い!GRANRODEOを出し切った一作!

 数々のアニメタイアップなどを経て、人気・知名度ともに急上昇中のGRANRODEOが、待望のアルバムを約1年半振りにリリース。タイトルは“CRACK STAR FLASH”。シングル曲を中心に、多彩な曲を揃えた、実にバラエティーに富んだ作品に仕上がった。

──タイトルは“CRACK STAR FLASH”ということで。

KISHOW「わりと初期の段階で、シングル3曲とそのカップリング曲、タイアップの新曲2曲と、全部で8曲が決まっていて。とりあえず方向性を早く決めたほうがいいと、まずタイトルを付けました。その8曲がすごく力強くて、一曲一曲パンチが効いている。どうせ派手な作品になるだろうから、攻めの姿勢を表したほうがいいなと思って。ギラギラのすごいヤツ!みたいなイメージで“CRACK STAR FLASH”と。例え砕けても光ってやるぜ!って。」

──そのタイトル曲はグラマラスですごくカッコ良いですよね。

e-ZUKA「ロックンロールを感じさせつつ、キャッチーなものがいいなと思って。だから、楽器編成がすごくシンプルになっています。ギターはあとで1本重ねただけで基本は3ピース。あと、タイトルの文字から、ニューウエィブとグラムの中間的な、デヴィッド・ボウイのようなスペーシーなイメージもあったかな。」

──歌詞のイメージは最初からありましたか?

KISHOW「それはなかったです。あっても“砕け散った星のかけら”というイメージくらいかな。曲を聴いた上で、アルバムの1曲目だし表題曲なので勢いが大事だと思って書き始めて。実は、この歌詞はひと晩で書かなくちゃいけない状況だったんだけど、結果的にひと晩で書いたのも勢いにつながったと思いますね。」

──新曲はメタルっぽい曲やキャッチーなロックなど多彩な曲がありつつ、ひとクセあるのが「メリーゴーランド」という曲で。

KISHOW「これは2年前の前アルバム『SUPERNOVA』の候補曲で、仮歌まで録ったけど入らなくて。結果的には、こちらのアルバムに入れて正解だったなと思うけど。まあ、聴いたまんまですよ(笑)。」

──イントロで鳴ってるのは、シタールですか?

e-ZUKA「本物のシタールっぽく聴こえるけど、実はギター。マスタリングの前日に、車で仮歌のデモ音源を聴いてたら“レコーディングしてない部分があった!”って気付いて。スタジオにボロボロの古いセミアコがあったから、試しに弾いたらボロボロ加減がシタールっぽくていいなと思って、それにマイクを立てて録ったんです。もし録り忘れてなかったら、普通のギターの音で録ってたかもしれないので、逆に忘れてて良かった(笑)。」

──いきなりパンク調に転調したりとか、《顔はいいけど足が臭い》とか、展開も歌詞も突拍子もなくてすごく面白いですね。

KISHOW「言葉遊びをしながら、皮肉が効いてて笑ってもらえるものがいいなと思って。2年前の時は、詞先でどんどん歌詞を書いて渡していて。酔っ払って書いたし、どうせボツだろうと思っていたら曲になっていてビックリした(笑)。でも実際、これを何曲目に入れるのが正解かってのが難しかったですね。今までのアルバムを全部持ってます!ってファンの人でも戸惑うくらい異色だし、ましてや主題歌をやってたアニメ『黒子のバスケ』で入って「Can Do」や「RIMFIRE」の路線を期待した人が聴いたら、火傷しちゃうんじゃないかって。ロックが好きな人に面白がってもらえたらうれしいけど。」

──最後は切ないバラードの「冷めゆく熱」があって、そのあとに「愛のWarrior」がきて、ラストの「希望の彼方へ」につないでいく。その曲順が、すごく意表を突かれました。

KISHOW「そうそう(笑)。「冷めゆく熱」からすんなり「希望の彼方へ」にいけばいいのに、一回クッションを挟むという。でも、僕はこの流れは気に入ってますよ。「愛のWarrior」って一番古い曲だけど、改めて聴くとすごくパワーがあると思うし。」

e-ZUKA「単純に「冷めゆく熱」はフェードアウトで終わって、「愛のWarrior」はフェードインで始まるので、つながりがちょうどいいなというのもあったりして(笑)。」

KISHOW「「冷めゆく熱」の歌詞は…『SUPERNOVA』の「ウソノイロ」というバラードもそうだったけど、恋をしようぜ!みたいな生産性のあるものよりも、すでにあった愛が壊れていくみたいなもののほうが、きっと書きやすいのかもしれないですね。歌はちょっと言葉が詰まってるところがあって、そこはレコーディングの時なかなか歌えなくて苦労しました。」

e-ZUKA「1コーラス目の歌詞に合わせてメロディーを作ったら、2コーラス目の歌詞の文字数に合わなくなっちゃったんです(笑)。」

──ラストの「希望の彼方へ」は、すごく心温まるスケールの大きなロックだなと思いました。U2っぽいかなって。

e-ZUKA「人によっては、ウェストコーストとかアメリカンロックと言う人もいて。僕は、おっしゃる通りU2の大陸的なポジティブソングをイメージしていて。毎回アルバムのラストに入れた曲が、次のツアーの本編ラストになるという法則があるので、ツアー本編のラストで締め括れるような曲というイメージもありました。」

KISHOW「歌詞は「CRACK STAR FLASH」を踏襲するかたちで、締め括りは意識して、ここぞとばかりにいい歌詞を書きました(笑)。だから、タイトルもベタに“希望の彼方へ”。何だかんだ7年やってきて、聴いてくれる人が僕らの背中を押してるという意味合いも含めています。あぁ、それ以上説明はいらないでしょう。」

──アルバムはここ1年半のベスト的内容で、新しいファンに向けた入門編としてもすごく分かりやすい作品になったと思います。

e-ZUKA「「Can Do」や「RIMFIRE」でGRANRODEOを知った新規のみなさんには、こんなにもいろんなタイプの曲があるのか!と分かってもらえるんじゃないかと思いますね。」

KISHOW「前作『SUPERNOVA』はアルバムとしてトータル性のある、すごくクオリティーの高い作品でした。今回は一曲一曲がすごく力強くて、喩えるなら4番バッターばかりを集めたみたいなイメージ。だから、アルバムらしさというよりも、現時点でのGRANRODEOを出し切ったと言える作品。今のGRANRODEOはこうなんだよ!っていうことが伝わったらいいかな。」

取材:榑林史章

(OKMusic)


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