2014-08-20
SCREW、精神的抑圧を昇華させる重厚な世界観
激しいバンドサウンドで異彩を放つSCREWが、メジャー第二弾アルバム『PSYCHO MONSTERS』を完成させた。新たな代表作ともなった前作『SCREW』で提示したスタイルは、すでに次なる進化/深化へと向かっているようだ。
──前アルバム『SCREW』は特定のコンセプトを立てた制作ではありませんでしたが、今回はどんな進め方だったのですか?
鋲「今年の2月ぐらいに“PSYCHO MONSTERS”という言葉が浮かんだんですよ。SCREWの楽曲って、僕以外の4人が作曲者ということで自然と幅も広くなる。このタイトルであれば、どんな楽曲が選ばれても合うだろうなと思ったんですね。過去の作品とかを考えてみても、SCREWらしいタイトルだなと思いましたし。」
ジン「“PSYCHO MONSTERS”と聞いて、まずライヴの画が想像できたんですよ。カッコ良い意味で、結構、僕らはサイコなところがあるので(笑)。ただ、僕が曲を作る時のコンセプトとして、わりとライヴを想定することが多かったので、それプラス、何かできないかなぁと、人間の内面や心情をもっと表現したいなと制作に入りましたね。」
──実際にアルバムが仕上がってみて、どう感じてます?
鋲「ほんとにイメージ通りで、いろんな“怪物”が集まったなって。この流れでライヴをやっても成立しちゃいそうな、ライヴアルバム的な感じにもなったなと思いますね。」
ジン「「FUGLY」と「CAVALCADE」は、“PSYCHO MONSTERS”という言葉が出てくる前のものですけど、いろんな表情をした新曲たちと併せて、それぞれの感情がアルバムの中で成立している印象はありますね。」
ルイ「それぞれの楽曲が近付きすぎてない印象が俺はあるんですね。でも、誰が持ってきた曲でも、楽器隊の4人がアレンジして、演奏して、鋲の歌が乗れば、何でもSCREWになる。インディーズの時とかだったら、そういうことはできていなかったのかなぁと思うんですよ。そんな自信みたいなものを持てましたし、出し切れた感は結構ありますね。」
マナブ「僕も前作と比べて、幅が広がった印象なんですよ。でも、違和感はまったくない。こういうのがもしかしたら本来なのかなと思うんですね。アルバムを出すたびに、それまでやってきたことが詰まっているとは思うんですけど、今回は特にそういうのは強いんじゃないかなって。もちろん、新しいこともやってはいるんですよ。例えば「オブセッション」や「mellow」は完全に今までなかった要素が入っている曲だと思うし、「deadlock」はもう何年もやっているような方法で書けた曲だと思うんですね。」
和己「『SCREW』と比べてみても、今回のほうがフックとなる曲が多いと思うんですね。それこそ「mellow」なんて、僕は一押ししてた曲なんですよ。あの『SCREW』というものが、本来のSCREWの音の芯の部分だと思うんですけど、それが少し太くなって、個々の新しい要素も1曲通して伝わりやすいものになってるとは思いますね。」
──確かに「mellow」は他の曲と趣向が違いますよね。ライヴですごくいい光景が見えそうな予感もあります。
ルイ「これはメロから作ったんですけど、田舎の夏休みの終わり頃ぐらいに、小さい子たちが、虫取り網を持って家に帰る光景がパーンと出てきたんですよね。たまたま見ていた風景写真集の中に、すごく気に入ったものがあって、それがずっと自分の中に残ってて。SCREWとは全然関係ないところから、イメージのヒントはあったんですよ。」
鋲「僕は最初に聴いた時は若干の戸惑いがあったんですよ。棘や毒の要素がなくて、これは果たしてモンスターになるかなと思ったから。歌詞もこの曲だけ変にさわやかだったり、ポジティブな感じになっても、自分の中で満足いかないなと思って。そこで過去の傷を入れ込んで、ちょっと痛みを表現したんですけど、上手く溶け込んだかなと思いますね。」
──“PSYCHO MONSTERS”ということを特に意識して作った楽曲を挙げるなら、どれになりますか?
ジン「「SPIRAL OF MISTRUST」ですね。激しさを損なわない程度に、感情寄りにしていったんです。メロディーだけで、サスペンス的なドラマチックさに持っていくような。」
鋲「これは久しぶりにモノクロのSCREWができたって感覚があって。例えば「CAVALCADE」や「FUGLY」はわりといろんな色が入ってる印象ですけど、自分たちが8年以上やってきた、その真ん中にいる曲かなという気がします。歌詞に関しては曲からすごく冷たい印象を受けたので、日々感じている人間不信的なテーマがすごく合うと思ったんですよね。なので、リアルな気持ちを表現することができました。」
──今の鋲くんにとっては自然なかたちなのかもしれませんが、常に心の中にあるものが出た結果のひとつなんでしょうね。
鋲「はい。それが一番伝わりやすい手段なのかなって、時間を経て、気付いた点でもありますね。わりとカッコ良い言葉でつないできた過去があるんですけど、もっと素直に自分に正直に生きようと思った結果ですかね。“PSYCHO MONSTERS”というタイトルを思い付いた時に、生きていく上での苦しみだったり、孤独感だったり、やり切れない思いをモンスターに例えて、それによって精神が崩壊していくさまをメインに書きたいなというビジョンがあったんですよ。SCREWの鋲としてのキャラなのか、ほんとの自分なのかも分からないですけど、このアルバムを通して聴いてみると、すごく私的なストーリーになったと思いますね。」
──今回の歌詞を再構築すると、一本の小説が書けそうな気がしますね。さて、本作に伴う全国ツアーに向けては?
鋲「僕は絶望と遊ぼうかなと思ってます。日々生まれてくる絶望と上手く付き合っていくということですかね。少し前の自分だったら、打ちのめされてると思うんですよ。ちょっと余裕が出てきたのかなと思うんですね。」
ジン「今まで以上に深く、濃い空間に浸れると思うんですよ。自分でもアルバムをより深く聴き込んで、この世界観をじっくり感じてからツアーに挑みたいなと思います。」
取材:土屋京輔
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