全部嘘だって言ってくれなきゃ
全部本当になってしまうよ
君はその口を閉じたまま
眠る眠る眠る

結んだもの解く勇気が
私にもあったなら
こんな結末迎えなくても
済んだのでしょうか

どうやって こう殺って
レシピ通りに
僕は伏し目がちに
真っ赤な目で

心を鬼にして
君をトランクに詰めて
どうか 幸せになれますように
こんな形で
お別れだなんて
どうか 悪い夢でありますように

全部嘘だって言ってくれなきゃ

話しかけては静寂の中
苛立ちは募り
無視ばかりの君に少し
お仕置きをしなくちゃね

大鍋でぐつぐつと
パイプクリーナーで
失敗作の
チョコレートみたいに

僕は鬼になって
君は空っぽになって
どうか 幸せになれますように
トイレに流して
全部なかったことにして
僕はこのまま生きていくのかな

全部嘘だって言ってくれなきゃ

口論の果て 掴んだ髪の感触
乾燥して割れたささくれの痛み
強く押したら足を滑らせ
部屋に響いた鈍い音
全部嘘だって言ってくれなきゃ

全部本当になっちゃうよ

心を空にして
さよならって呟いて
どうか 幸せになれますように
こんな形で
お別れだなんて
どうか 悪い夢でありますように

歪だったけれど
楽しかった ありがとう
ちゃんと言葉にすればよかった
胸の底には
ドロリとした想い出
甘ったるい溶けたチョコレートみたい
あゝ

黙秘権を行使します。

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