最期の遠足

「えーよろしいですか?
全ての物事には必ず「正しい終わり方」と言うものがあります。
みなさんがおうちに帰るまでが遠足です。
おうちの人に「ただいま」を　ちゃんと言うまで
遠足は終わってはいないのです。」

捜すフリだけしていよう　捜すフリだけしていよう
捜すフリだけしていよう　捜すフリだけしていよう

はぐれた子供が2人と5人　そのうち見えない瞳が1人
その子は怯えて転んでしまい　どにも行けずに夜の闇の中…

夜が明けるまで時間があるから　僕は捜すフリだけしよう
夜が明けるまで時間があるから　僕は捜すフリだけしよう

逃げたボクラは2人と5人　その内寂しい娘が1人
娘は途中で悲しくなって　やめればいいのに泣き出してしまった

「心配なニュースが入ってきました。
今日午後、秋の登山遠足にでかけた小学生の内、
7人がはぐれ、高尾山山中で行方不明となってしまいました。
現在地元の青年団が必死の捜索を続けていますが、
依然として行方がわからず、安否が気遣われています。」

「えーお友達は必ず帰ってきます。
みんなで祈りましょう。それが今日の宿題です。」

捜すフリだけしていよう　捜すフリだけしていよう
捜すフリだけしていよう　捜すフリだけしていよう

夜が明けるまで時間があるから　僕は捜すフリだけしよう
夜が明けるまで時間があるから　僕等は捜すフリだけしていたんだ

「最後の5人」はどこだか山の奥で　ひっそりニコニコ暮らしていました
だけど　あの冬の記録的寒さで凍えてしまったことでしょう

でも　万が一でも生き延びていたりして
この町の外で旅でもしていたりしたら
「そりゃあいいなぁ」なんて　僕は思ってみたりして
雪の降る夜も変わらず　生温いベッドの中　悪い夢を見た